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尿路結石の心配が増えます
閉経後は女性ホルモンが激減するために、尿路結石にもなりやすくなります。
尿路結石は、男性がかかる病気というイメージがありますが、女性でも閉経後に多くみられます。
尿路結石とは、尿の通り道に石(結石)ができる病気です。
腎臓で作られた尿は、尿管を通り膀胱で溜めるられた後、尿道を通って排尿されます。
この腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこかに結石ができている状態なのです。
尿路結石の痛みは、腎臓や膀胱内に結石がある場合には、症状が出なかったり鈍痛なのですが、尿管ある場合には激痛が起こります。
結石が尿管に詰まると、背中や脇腹、下腹部などに疝痛発作と呼ばれる激痛が起こり、冷や汗・吐き気や嘔吐を伴い、時には血尿がでることもあります。
でも石が尿に流されて体外に出されれば、ウソの様に痛みがなくなります。
尿路結石が男性に多く見られるのには、女性より尿酸量が多いという理由があります。
尿酸はプリン体が分解してできた老廃物で、血液中の濃度が高くなると 溶けきれなくなった尿酸が結晶化するのです。
男性は女性よりも筋肉量が多く、体内で活性酸素ができやすいために、活性酸素を掃除する抗酸化物質でもある尿酸を多く持っているのです。
また女性ホルモンには、尿酸の排泄を促し、結石を作りにくくするクエン酸を増やす働きがあるのに対して、
男性ホルモンは、結石の成分になりやすいシュウ酸を増やす働きがあるからなのでそうです。
このような理由から、閉経後は女性でも尿路結石になりやすくなってしまうのです。
尿路結石の予防には、栄養のバランスをとり食べ過ぎ・飲み過ぎをやめる、適度な運動をする、ストレスを上手く発散させて溜めないといった事が大切になります。
さらには、水分をしっかりとり、プリン体を多く含んでいる食品を控えるという点にも注意していきましょう。
閉経前後の時期に起きる腰痛
閉経前後の時期には、体のあちこちが痛くなるという症状もよく現れます。
特に閉経の時期あたりの中高年女性が訴える腰痛は、その原因が婦人科の疾患だということも考えられます。
閉経の時期は、がん年齢でもあるということを考えなくてはいけません。
それは腰痛の原因が、子宮がんや卵巣がんの場合もあるからです。
しかし、一番の腰痛の原因は閉経を迎えることによって起きる更年期障害です。
更年期で女性ホルモンのエストロゲンが減少してしまった上に、精神的なストレスが加わって自律神経が失調状態になり、血液の循環が悪くなっていきます。
この骨盤内の血液が停滞してしまう症状を 「骨盤うっ血症候群」といいます。
骨盤内うっ血症候群は、骨盤内の血液の流れが滞ることで腰痛を起こします。
骨盤内うっ血症候群は、閉経を迎える頃の中高年女性だけばかりではなく、若い女性にも起きてよく生理痛と間違えられます。
長時間立ちっぱなしだったり、座りっぱなしのままでいると、骨盤内の血流がうっ滞して下腹部の痛みが起きます。
女性は骨盤内に卵巣や子宮といった臓器を持つために、血管が多く存在しています。
そのため長時間じっとしていたりして、骨盤内の静脈がうっ血してしまうことにより静脈瘤が出来るのです。
また、出産経験のある女性は、骨盤のずれからホルモンバランスをくずしてしまい、それが一定の年令を過ぎると症状として出てくるということもあるようです。
さらには閉経によってエストロゲンという卵胞ホルモンの分泌が少なくなってくると、老化による筋力の低下と合わさってこれもまた腰痛の原因になります。
整形外科で異常がないと診断されたり、他にこれといった原因となる疾患がないのに腰痛がよくならないときは、念のため更年期外来のある産婦人科を受診することをお勧めします。
植物性ホルモン、イソフラボン
イソフラボンは、大豆の胚芽に多く含まれるフラボノイドの一種で、体内に入ると女性ホルモンと同じような働きをすることから、植物由来のエストロゲンと言われています。
このイソフラボンはエストロゲンとよく似た化学構造を持つことから、骨粗しょう症の予防や ほてりやのぼせといった更年期障害の軽減に効果があると言われています。
また、乳がんや前立腺がんなどの予防にも効果があることも明らかになってきています。
イソフラボンの摂取は、特に閉経を迎えた女性にお勧めです。
イソフラボンは女性ホルモンと同じような働きをするとは言え、実際のホルモンとは違って弱い働きの女性様ホルモンです。
食品から摂取する分には、副作用の心配はないと言われています。
イソフラボンは大豆以外では葛の根やクローバーなどにも含まれていますが、私達は大豆食品から摂取することがほとんどです。
豆腐1丁に含まれているイソフラボンの量は、大体60〜70mg、豆乳では200mlで大体28〜30mgといったところです。
ただ、イソフラボンは体内に留まる時間が短く、そのため毎日摂り続ける必要がありますので、豆腐なら毎日続けて1丁半少しを食べると良いのだそうです。
閉経を迎えてエストロゲンがほとんど分泌されなくなると、食品から摂取したイソフラボンが女性ホルモンとして作用してくれます。
閉経していない女性の場合だと、女性ホルモンの分泌が過剰になると、今度はイソフラボンが女性ホルモンの作用を緩和させるように働くと考えられています。
イソフラボンはこの様に働きを変えてくれるのですが、閉経していない女性が摂り過ぎてしまうと月経周期が延長するなどの悪影響がある可能性があります。
サプリメントのような大豆イソフラボンを濃縮・強化した食品から大豆イソフラボンを摂るときには注意をしてください。
うつ病の引き金、空の巣症候群
閉経を迎える頃の女性は、家庭や社会などの周りの環境が変化してきます。
閉経期の頃は、女性にとって心身ともに激動の時期であり、うつ病の引き金になる原因も多くなります。
子どもの自立、夫とのコミュニケーション不足、夫の退職、近親者の介護、死別を迎えるなど、
40代後半〜50代の女性にとっては、ただでさえ大変な時期なのです。
その上、閉経によるホルモンバランスの変化なども重なって、うつの傾向が強くなることがあります。
このような状態を ひな鳥が巣立っていった後の空の巣に例えて、空の巣(からのす)症候群と呼んでいます。
空の巣症候群は、子育てが終わり子どもが家を巣立っていった頃から、
うつ症状が酷くなって入院した中高年の女性に対して付けられたものです。
子育てを生きがいとしてきた良妻賢母型の専業主婦に多くみられる症状ですが、
特に内向的で近所付き合いなどが少なく、1日中家の中で家事をやるのが好きだという女性に多く発症します。
症状としては、空虚感・自信喪失感などの精神的な症状が主になります。
さらには、更年期障害でもよくみられる頭痛・肩こり・胸苦しさ・吐き気・食欲低下・不眠などといった
いわゆる不定愁訴の症状もみられ、風邪や疲れなどとも間違えられることがあるようです。
こういったことから、なかなか空の巣症候群ということにに気付かないことが多いようです。
しかし、空の巣症候群のうつ状態を放置しておくと、うつ病に発展してしまうこともあります。
うつ状態をそのままにしておくと、うつ病に発展してしまうこともあるため、手当ては早いほうがよいでしょう。
根本的には本人の心の持ちようなのですが、簡単には変われるものではありませんよね。
新しく趣味を開拓することも良いでしょう。
また、心のサポートをしてくれる友人、配偶者の協力が必要になります。
しかし状態が悪いときには医療の力が必要です。
臆せずに、心療内科やメンタルクリニックを受診するようにしましょう。
肝班(かんぱん)のある人は、薄くなります!
閉経すると、更年期障害や骨粗鬆症、コレステロール値の上昇など悪い影響ばかりのイメージですが、もちろん良いこともあります!
何と、シミのなかでもなかなか治りにくい、肝班(かんぱん)が薄くなるのです。
もちろん閉経した人全員の肝班が消えるという訳ではありません。
肝班の色素沈着を改善しようとしたり隠そうとするために、
いろいろな外用薬や化粧品を使っていて、皮膚炎を合併しているケースが多い事や、
肝班は、夏にひどくなり冬にうすくなる傾向がある事からも判るように、
紫外線によるシミと合併しているケースも多いからです。
では、そもそもこの肝班とは、どういったシミなのでしょうか?
肝班は、男性に出来ることは少ないシミで、ほとんどが30〜50才代の女性に現われています。
もともと色素の多い私達日本人などのアジア人、ヒスパニック、インド人などに多くみられ、白人に出来ることは少ないシミです。
その中でも皮膚の色が浅黒く、日焼けによって皮膚が黒くなったり、炎症後に色素沈着を起こしやすいタイプの女性に出来やすくなります。
肝班は、妊娠して発症したり、ピルの服用によって出来たり悪化したりすることから、
女性ホルモンのバランスが影響しているといわれていますが、はっきりとした原因は不明です。
肝班という名前は、シミの色が肝臓に似ているから付いた名前なのだそうで、肝機能や肝障害とは全く関係はありません。
肝班は顔の広い範囲に出来ますが、目のまわりだけは白く抜けたようにシミが出来ず、そのため頬のシミがますます目立ってしまうのです。
皮膚科ではトラネキサム酸が処方され、治療効果は4〜5週間後に現れるようです。
通常、シミの治療では内服薬やケミカルピーリング、レーザー治療などが行われますが、
肝班の場合だと、レーザー治療では逆に悪化してしまうことがあります。
閉経すれば気にならなくなるとは言え、肝班の状態を閉経の時まで我慢するのはチョットつらいですよね。。。
更年期以降に起きる不眠症
女性が睡眠に対して多くの不満を持ちはじめる時期と閉経の時期が一致していることから、
女性の不眠症に女性ホルモンの分泌が関係しているという説があります。
中高年齢層までは、女性のほうが質のよい眠りを得やすいのですが、40才以降では不眠で悩んだり、睡眠薬に頼る比率が男性よりも圧倒的に高くなります。
閉経前後の更年期になると、女性ホルモンの分泌が低下するため、夜間のほてりや発汗などが原因で、夜眠れないようになるという理由もあるでしょう。
このような不眠症のことを閉経時不眠症と呼んでいます。
閉経時不眠症は、数ヶ月〜数年と比較的長期間にわたる不眠のため、慢性的な不安の症状やうつ病に発展することもあるのです。
不眠の症状がひどいときには、更年期に減少するエストロゲンとプロゲストロンを併用投与するホルモン補充療法が効果的になります。
もう一つ考えられているのは、体内時計の加齢による変化です。
女性の体内時計は、加齢によって早くなる傾向があります。
そのため、寝る時刻が変わらなくても起きる時刻が早くなります。
この早朝覚醒によって睡眠への満足感が減少するというものです。
また、眠っているあいだに呼吸が停止する睡眠障害に睡眠時無呼吸症候群がありますが、
一般的に男性に多く、女性にはあまり見られません。
しかし女性ホルモンが減少する閉経後、
女性でも睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。
女性が睡眠時無呼吸症候群になりにくいのは、黄体ホルモン(プロゲステロン)という
女性ホルモンに呼吸筋の活動を促進する働きがあるためです。
このため女性の場合は、黄体ホルモンの分泌が減少する更年期を過ぎてから、
睡眠時無呼吸症候群を起こすことが多くなります。
閉経すると歯もピンチです
閉経すると、歯を失いやすくなるようです。
歯を失って、自前の歯が減るほどQOL(生活の質)は落ちてしまいます。
特に閉経後の女性や高齢者にとっての栄養状態の良し悪しは、
その後の人生の実質的な長さを決めてしまうと言ってよいほど大事なことです。
つまり歯があって、栄養が十分に摂取できるかどうかということは、
閉経後の人生のQOLを大きく左右するということなのです。
それでは歯は、女性ホルモンとどういう関係にあるのでしょうか?
中高年者の歯が抜ける原因は、歯を支える骨である歯槽骨がもろくなることと、
歯周病菌が活動しやすい状況になってしまうことと言われています。
これらの原因は、どちらも加齢と関係していますが、閉経後の女性では
特に女性ホルモンの分泌とも深く関わっていると言うのです。
女性ホルモンは骨密度を減らさないように作用しています。
歯を支える歯槽骨も他の骨と同様に女性ホルモンによって骨密度が減らないようになっているので
女性ホルモンがしっかりと分泌されている閉経前の女性では、
歯を支える骨もしっかりしているため、歯が抜けることは少ないのです。
最近では、さまざまな全身の疾患と歯周病との関連が解って来始めましたが、
骨粗鬆症の患者は、歯周病が発症したり進行しやすいという事も、その中のひとつです。
健康診断などで骨粗鬆症と言われたら、歯周病のチェックもしてもらった方が良さそうですね。
また女性ホルモンは、口腔内の粘膜や唾液腺にも作用し、唾液を分泌させています。
唾液は口の中を酸性やアルカリ性に傾きすぎないようにして、
虫歯を防ぐ働きがあるうえに、口腔内をきれいに洗い流す働きもあります。
このような唾液の働きによって、歯周病菌や歯垢などの歯の病気の原因となる
口腔内のバランスの乱れを正常に保つ事が出来るのです。
このように女性ホルモンは、歯に対して大切な作用をしているので
閉経によって女性ホルモンが激減すれば、歯の病気になったり
歯を失いやすくなってしまいます。
女性ホルモン低下による膣トラブル
閉経後は、女性ホルモンの低下で、膣炎にもなりやすくなります。
女性ホルモンが少なくなると膣壁の潤いがなくなります。
膣粘膜に常在しているデーデルライン菌は、常に膣内を酸性に保ち
雑菌の繁殖を防いでくれています。
ところが閉経によって、女性ホルモンのひとつエストロゲンの低下で、
栄養源となるグリコーゲンの分泌が少なくなってしまいます。
そのためデーデルライン菌は減少して、
腟内の酸性度がアルカリに傾くため自浄作用が保てなくなります。
さらに閉経に伴って、膣粘膜の細胞の増殖を促し、膣をみずみずしく保つ働きもしている
エストロゲンの分泌が足りなくなってしまうと、腟粘膜が薄くなってしまい
膣が乾燥する感じがしたり、雑菌に対する抵抗力も低下します。
その結果、病的な菌が繁殖しやすくなり、膣炎を起こして
不正出血やおりものが増え、臭いも気になるようになります。
このようなエストロゲン分泌の低下による腟炎は、老人性(萎縮性)腟炎というのですが
もっと気の利いたネーミングをして欲しかったですよね…。
閉経後のエストロゲンの分泌低下で起きる膣壁の乾燥や萎縮は、
老人性(萎縮性)腟炎ばかりでなく、性交痛も起こすようになります。
しかも、膣壁が傷ついて炎症まで起こしやすくなります。
性交痛を起こす頻度は50才代で約半数、60才代では90%とかなり高くなっていますが
ただ性交痛は、婦人科を受診してもなかなか言い出しにくい症状だと思いますので
そのような場合は、問診票に書いておくとか、看護師の方にそっと伝えておいてはいかがでしょう?
ホルモン補充療法や潤滑ゼリーなど、性交痛を解消する方法はちゃんとありますので、悩んでいないで相談してみましょう。
泌尿器関係のトラブルも増えます
閉経すると泌尿器関係にも変化が出てきます。
尿道の粘膜が薄くなり、排尿時に焼けつくような痛みが生じたり、
尿路感染症にかかりやすくなったりします。
また膀胱(ぼうこう)の出口で排尿を調節する筋肉も弱くなります。
自分の意志に反して尿漏れをしてしまうことを尿失禁といいますが、
閉経後の女性には、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁というふたつのタイプの失禁が
多くみられます。
腹圧性尿失禁は、大笑いをしたり、せきをしたときなどに膀胱に圧力がかかったときに
起きる失禁です。
この失禁は、分娩などで骨盤の底を支える筋肉が弱くなったり、
閉経でエストロゲン分泌が低下することで
尿道の粘膜が萎縮したり、柔軟性が低下したりするために引き起こされます。
切迫性尿失禁は、尿意が強くて、我慢できずに失禁するタイプの失禁で、
閉経すると排尿筋が不安定になり切迫性尿失禁が増えてきます。
そのうえ閉経で尿道の粘膜が萎縮すると、
名前を聞くとガックリきますが、老人性尿道炎という炎症を起こしやすくなります。
この炎症が刺激になり、切迫性尿失禁になるのだそうです。
尿失禁の原因はいくか重なっていることが多いので、
気になる方は、専門医で診断を受けて下さい。
尿失禁の他にも、閉経によりエストロゲン分泌が低下すると、
膀胱炎を起こしたり、尿道の灼熱感を感じるようになったりします。
膀胱炎では、膣内の細菌に対する抵抗力が弱まり大腸菌が繁殖し、
膣に近い尿道口からも大腸菌が尿道・膀胱に入り、細菌性膀胱炎を起こします。
症状は、頻尿、排尿痛、残尿感、血尿などです。
尿道の灼熱感では、エストロゲン分泌が低下することで
尿道の粘膜が薄くなり、
尿道の知覚神経が表面に近い所へ出てくるため、
尿が通ると薄い尿道粘膜を通して知覚神経に接触するので
灼熱感を感じるようになります。
女性ホルモンの減少で肌の悩みが増えます
乾燥、吹き出物、シミ、シワなどのお肌のトラブル
これらのトラブルの原因は、女性ホルモンの減少が影響しているのかもしれません。
女性の肌は24〜5才の頃が最も水分が多くつややかで、弾力性も充分にあり輝いています。
ところがその年齢でも生理前に肌荒れしやすいとか、
更年期の女性の場合では、閉経後に肌の調子が変わってしまったなどの
女性ホルモンが関係していると考えられる肌に関してのいろいろな悩みがあります。
基本的に女性ホルモンは、体の細胞をみずみずしくする作用があります。
中でもエストロゲンは、子宮内膜を厚くして妊娠準備をするホルモンですので、
丸みのある女性らしい体つきや肌のうるおいを保ち、コラーゲンの再生能力を高めるなどの
女性の美しさを支える働きがあります。
ところが更年期以降は年齢とともにシワが増え、乾燥したりしみも増えてきます。
閉経により女性ホルモンの分泌量が減って、お肌のツヤがなくなる、
シワが増えるなどの悩みが増えていくと考えられます。
肌に関してのいろいろな悩みは閉経で急激に増えてきます。
更年期の女性の場合は、エストロゲンの減少により、コラーゲンやエラスチンが減少し
皮膚が薄くなって乾燥し、小ジワができやすくなります。
また、エストロゲンが不安定になると表皮細胞の代謝サイクルが遅れ、
基底細胞で作られるメラニン色素の排出が滞り、シミもできやすくなります。
皮膚の代謝サイクルが遅くなると、はがれ落ちるはずの角質層が表面に残って角化が進んでしまい、
皮膚のバリア機能が低下して肌が敏感になってきます。
そのため外部からの刺激を受けやすくなり、赤くなる、ヒリヒリする吹き出物が出来る
といった肌のトラブルを引き起こします。
閉経でアルツハイマー型痴呆?
記憶力の低下で起きる物忘れも閉経による女性ホルモンの減少でひどくなったりします。
女性ホルモンは脳神経細胞の増殖や修復、脳の血流を増加させる上に
抗うつ作用によって痴呆の初期症状も緩和してくれます。
アルツハイマー病では血液中にアミロイドP成分が増え、脳の血管に老人斑のような
アミロイド蛋白が沈着しますが、女性ホルモンは血液中のアミロイドP成分を減少させます。
この様に痴呆にまで発展するアルツハイマー病と女性ホルモンの関係がいろいろ解ってきています。
閉経後、長期間エストロゲンを服用した女性のアルツハイマー型痴呆症になる率は、エストロゲンを服用してない女性よりも、約30〜40%も少ないことはよく知られていることです。
更年期障害の治療で使われた女性ホルモン剤によって、記憶力や計算力がよくなることも知られています。
意外なことですが、男性の方が女性よりもアルツハイマー型痴呆症になる率が、10〜15%程度低いことが確認されています。
これは男性が高齢になると、男性ホルモンのテストステロン(男性ホルモンの一種)がエストロゲンに変化するためだと考えられています。
その反対に女性は、閉経後エストロゲンが激減するためアルツハイマー型痴呆症になる率が高いと考えられています。
女性にとってもっと恐ろしいことですが、閉経後エストロゲンが激減する更年期は、だいたい40代の後半から始まってしまうのです!
しかし人間は恋をすると、体内の性ホルモン量が増加します。
女性の場合だと体内の女性ホルモンの分泌量が増えるので、この女性ホルモンの作用により記憶力を高めてはどうでしょう。
また今までは、男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモン
などのステロイドホルモンは、精巣や卵巣、副腎皮質でしか作られていないと考えられていましたが、
これらのステロイドホルモンは大脳の記憶中枢でも作られていることが明らかになってきました。
閉経しても恋をすることは、アルツハイマー型痴呆の改善のためにも必要ですね!
50才以上は要注意、コレステロールの上昇
閉経後にはコレステロールの中でも特に
低比重リポタンパク(LDLコレステロール)の濃度が上昇します。
閉経したことで卵巣機能が低下し
女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが減少すると
コレステロールの中でも特に動脈硬化を促進する
悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールが上昇するのです。
その上閉経後では、コレステロールの代謝がうまく行われずに
肝臓に取り込みにくくなり、余ったコレステロールが血液中に増えてきます。
また、コレステロールは女性ホルモンの材料でもあるので、その
需要が減れば、ますます余ってしまいます。
そのため、エストロゲンの分泌が減少する更年期以降には
女性のコレステロールがますます増えてきます。
他にもエストロゲンには、善玉のHDLコレステロールを増やして血管を守り
血流をよくする働きがあります。
閉経するまではエストロゲンの濃度が高く、
これにより動脈硬化による疾患を防いでいると考えられています。
閉経した後、更年期以降の女性は動脈硬化による病気が急増します。
閉経後に高脂血症(最近では、高脂血症から脂質異常症に変更されています。)
になる女性は大変多く、50才以上では2人に1人が要注意ということです。
高脂血症(脂質異常症)になると、血管を硬化させたり
血管に血栓ができやすくなり、心筋梗塞(こうそく)などの心臓病や
脳卒中のひとつである脳梗塞になりやすくなります。
高脂血症が軽い場合は女性ホルモンの投与が中心ですが
重い場合は高脂血症治療薬の投与が必要になります。
と言っても、高脂血症の治療は、食事療法が基本になり
運動量の見直しも必要になります。
エストロゲンの分泌が減少することと、
閉経前後の女性が肥満傾向にあることは関係はありませんが、
肥満も総コレステロール値を高くする要因のひとつになります。
閉経による骨粗鬆症
骨の成分が全体的に減少し、骨に小さな穴が多発して鬆(す)が入った状態になり
骨折しやすくなった状態を骨粗鬆症と呼びます。
骨が軽石のようにもろくなり、骨折しやすくなる
骨が変形する、腰や背中の慢性的な痛みなどにつながります。
日常生活程度の負荷でもたやすく骨折するようになり
老人の寝たきりの多くが骨粗鬆症による骨折が原因となっています。
現在、90万人はいると言われる老人の寝たきりの原因のうち
第3番目が骨粗鬆症による骨折なのです(脳卒中、高血圧に次ぐ。)。
骨は、破骨細胞が骨を壊し骨芽細胞が骨を作るという過程を繰り返して
常に骨を作り変えています。
閉経する前では、女性ホルモンのエストロゲンが破骨細胞の働きを抑え、
骨芽細胞の働きを促進して骨量を維持しています。
男性は50才以後も骨密度の減少が緩やかなのに対して
女性は50才を過ぎると、骨密度が急に減少します。
これは閉経による女性ホルモンの減少が原因です。
さらに女性は男性に比べてもともとの骨量が少ないため、閉経によって
骨の形成・吸収のバランスが崩れたときに、症状が表面化しやすい。
閉経してエストロゲンの分泌が減ると骨芽細胞の働きが弱まるため、
女性は閉経時に骨密度が減少して骨粗鬆症になりやすくなり
骨折しやすくなります。
閉経後にエストロゲンの分泌が減少した事が原因となり
骨粗鬆症の患者のほとんどが閉経後の女性になっています。
その後老化に伴って、骨が吸収される働きの低下よりも
骨が形成される働きの低下の方が大きくなり骨量が更に減少します。
月経異常は病気が隠れていることもあります
月経は、女性の健康を知る上でのバロメーターになります。
月経異常のため病院で診察を受けて 病気が発見されるという例はたくさんあります。
でも月経は人と比べることがあまりありませんので、
自分の生理が正常なのかどうか判断に困りますね。
正常の月経は、周期日数25〜38日で、続く期間は3〜7日
経血量は150ml以内であるといわれます。
これはあくまでも平均なので、当てはまらない場合の全てが
治療の対象になるわけではありません。
とくに多くの女性は、閉経の10年ぐらい前である40代の頃から
月経周期が不順になり生理周期が変わってきはじめます。
月経周期の乱れは、月2回あったり、2〜3カ月遅れたりすることもあります。
40代の後半では生理のうちの一部が無排卵になり
いつ生理がくるかわからない不規則な状態を経て、一年以上月経が起きなくなり
閉経します。
月経異常を引き起こす原因には、閉経時期に起きるホルモンバランスの不安定や
子宮、卵巣の疾病などがあります。
閉経時期の場合、月経異常は閉経までの数年間に起こることなので心配ありませんが、
中でも不正出血は、子宮ガンや子宮筋腫などの病気も考えられるので婦人科で
相談して下さい。
不正出血というのは、閉経時期の月経異常も含め、正常な月経以外の出血のことです。
不正出血があった時やこれまでと違う生理のようすがあった時には、
閉経時期だから当たり前だと放っておかないで、検診時期と考えて婦人科を受診しましょう。
更年期障害の代表格、自律神経失調症
閉経と同時に女性ホルモンの分泌量が急激に減り
自律神経の働きが崩れ、身体に不調が起きる事があります。
こういった症状は、更年期障害と呼ばれ、代表的な症状が自律神経失調症状です。
女性の更年期障害の原因は、完全に明らかになっている訳ではありません。
今のところは、卵巣機能の低下による卵巣ホルモンの低下と
それに伴う自律神経の乱れだと言われています。
間脳の視床下部は、ホメオスタシスの維持のために
さまざまなホルモンの分泌調整をしています。
その視床下部には自律神経機能の中枢があり
卵巣機能の低下から卵巣ホルモンの分泌量が不足すると、
脳下垂体から卵巣ホルモンを分泌するように指令を出します。
閉経期のために指令が出ても卵巣が働かないため
視床下部の負担が増して、自律神経が乱れると考えられています。
自律神経は私たちの意思で働きを調節できない神経で、体温調節のための発汗や
心拍の調整などをコントロールしています。
緊張を高めて心身を活動させる交感神経と緊張をやわらげリラックスさせる副交感神経が
お互いにバランスをとって働いますが、このバランスが乱れ
自律神経が不調になれば、全身にさまざまな症状が出てきます。
このように自律神経の働きが崩れたために起こる、心と体の不調が自律神経失調症です。
閉経期の自律神経失調症状の中でも、ほてりやのぼせといった症状のホットフラッシュは
更年期の女性のうち4分の3もの人に起こっています。
特に多い症状では、急にホットフラッシュが起き、汗が出て
動悸がしたり脈が早まります。
しばらくすると治まりますが、次々に違った症状が出ることもあり
いろいろな症状に悩まされます。
このような不定愁訴は、閉経期の症状の特徴です。
通常であれば、不定愁訴は、体がホルモンの変化に慣れてくると
次第に治まります。
しかし症状が強い場合などには、症状に応じてホルモン補充療法や
漢方薬など、必要と思われる治療が行われます。
自律神経症状は、以前から自律神経が失調ぎみであったり、
性格や気質、人間関係などの環境的要因も関係しているため
生真面目で頑張ってしまう人は、ストレスを強く受ける傾向があります。
そのような傾向が当てはまる方は、良い機会と捉えて
心身のリラクゼーションを考えてみてはいかがでしょうか?


